-動産評価精通者への道のり-農業機械(トラクター)
今回はご依頼件数が急増中の「農業機械」についてご紹介します。就業人数の減少や就業者の高齢化など、人手不足が深刻な農業・酪農業・畜産業の現場では必要不可欠な農業機械ですが、本コラムではトラクターに着目したいと思います。 […]
Column
鑑定や評価業務の現場で得られた知見、専門家の視点、実務に役立つヒントなどを、コラム形式でわかりやすくお届けします。
小水力発電は、河川や農業用水などの小さな水流を活用した発電方法であり、環境負荷が小さく、年間を通じて安定した電力供給が可能であることから、有望な再生可能エネルギーとして期待されている。
今回は工事中の小水力発電所について時価評価の依頼があり、評価基準日に本発電所の稼働開始を前提として評価を行った。現地での実地調査で得られた結果をコストアプローチやインカムアプローチに反映し、最終的な評価額を決定した。
小水力発電所の性質上、多くは山間部や急傾斜地などアクセスが困難な場所に設置される。そのため、従来の徒歩による巡回・確認作業では、移動および設備確認に多大な時間を要する。さらに、急斜面での作業に伴う滑落事故の危険性に加え、近年、被害が増加しているクマとの遭遇など、安全確保に関する課題も存在する。
こうした課題を解決するため、当社では「ドローン(無人航空機)調査」を実施した。ドローンの機能として、空撮による現地確認、GPSなどのGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)信号を利用した位置情報に基づく測量技術が挙げられる。本レポートでは、発電所の敷設状況などついて、これらドローン機能を応用した調査結果を報告する。
今回の実地調査は、発電設備の工事進捗の確認、対象不動産の範囲の確認、ならびに周辺の地形・保安管理状況の確認を目的として実施した。概要は以下のとおりである。
・調査日時: 2026年7月3日(金)
・調査対象: 小水力発電所および関連設備の敷設ルート
・調査目的: 発電所設備の敷設状況、対象不動産の範囲、周辺状況の確認
・使用機材: DJI Mini 5 Pro
今回の現地でのドローン調査により、小水力発電所における関連設備の敷設工事が順調に進行していることを確認できた。また、周辺状況においても現状では特に発電所設備に大きな影響を与える要因は特に確認できなかった。
急峻な地形箇所に設置するトンネルの掘削工事や導水管設置工事は一部区間で施工中であった。河川区域内の治山堰堤改修工事やチロリアン式取水口の工事については完了していることを確認した。発電所建屋はすでに完成しており、放水口工事も完了しており、岩盤上に設置されているため、放流ポイントにおける河床洗掘は発生しないものと想定した。
急傾斜地・周辺法面の危険箇所についてスクリーニングを行った。対象設備は河川左岸側に設置されているが、トンネル設置区間において斜面表層部での土石流の痕跡を確認したものの、導水路への影響は小さいと想定した。また、右岸側には地すべり跡を確認したが、こちらについても導水路への影響はないと判断した。




今回の調査を通じて、従来の現地実査と比較して以下の成果が得られた。
広大な敷設ルート全体の状況把握を従来の所要時間の8分の1に短縮できた。危険な急傾斜地や高所へ立ち入ることなく、無事故で迅速な実査を完了することができた。
発電設備全体について位置情報を含めた空撮画像を記録でき、デジタルアーカイブを構築できた。このため、オルソ画像などを用いて過去データとの比較検証を行うことで、経年劣化等の早期発見が可能となる。
今回は単独測位での座標軸で空間認識を行ったが、さらに高精度のRTK測位を行うことで、数cm単位の誤差で対象資産の空間範囲を特定することが可能となる。これにより、対象設備だけでなく周辺の急傾斜地における移動変位を把握し、災害危険箇所の推定に活かすことができる。
当社では、今後もドローンなどの最新テクノロジーを取り入れ、現地実査で得られた情報、ならびに対象資産を取り巻く様々な情報(法規制、自然災害、市場動向、地域特性、資産の物理的状況など)を確認・集約することにより、顧客に対する有用な情報価値を提供するとともに、より精緻な商品サービスを展開して参ります。
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こちらからお気軽にお問い合わせください。
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