調査レポート
Report
不動産・動産・市場動向などに関する各種調査結果や分析レポートをまとめています。
意思決定や企画立案の裏付けとなる定量・定性データをお探しの際にご活用ください。
商業地指数の「現在」は、東京圏が82.4、大阪圏は78.6、名古屋圏は79.6となりました。前回との比較では、東京圏は79.7から上昇、大阪圏は83.1から下落、名古屋圏は77.3から上昇しています。名古屋圏では名駅再開発が頓挫した影響が数字上みられなかった反面、大阪圏では万博効果の反動が出ている可能性があります。
オフィス市場は引き続き堅調です。地域別では仙台と横浜の空室率が5.0%台とやや高いですが、東京都心5区平均は2.0%を切っており、大阪と名古屋も3.0%台の水準となっています。ただし、最近のテナント企業はオフィス選びを人材採用活動の一環と位置づけているため、同じエリア内でも引き合いの強いビルと弱いビルが二極化している可能性はあります。また、中東情勢による原油高が思いのほか長引いているため、企業がどこかのタイミングで再びコスト削減策に転じる可能性もあります。大企業が成長戦略を見直せば、AIやDX等へのデジタル投資は予算枠が縮小され、これまでスタートアップが牽引してきた中小ビルの市場にも影響が出ることになりそうです。
好調なオフィス賃貸市場とは異なり、不動産の売買市場では投資家の姿勢が変化し始めています。国債の利回り金利)は一時3.0%まで上昇しましたが、原油高はインフレを助長するため、インフレ対策として金利はさらに上昇する可能性があります。そうなれば、レバレッジ頼みの高値買いでは十分な投資妙味を得ることはできません。既に機関投資家は物件の購入を停止していますし、小口化や一棟再販を得意とする中堅の事業者も同業者間での早期売却に着手しています。また、REITの物件利回りは2.0%台半ばまで下がっていますが、金利の影響で東証リート指数が下落して増資が困難な環境となっているため、新規の物件取得は見合わせている投資法人が目立ちます。
金利のない世界が終わって2年半になりますが、その間も低下傾向が続いた不動産の利回りにいよいよ反転の兆しが見え始めています。
住宅地指数の「現在」は、東京圏が80.0、大阪圏は72.3、名古屋圏は75.0となりました。前回との比較では、東京圏は79.8からやや上昇、大阪圏は77.7から下落、名古屋圏は75.0から横ばいとなっています。大阪圏での下落は商業地と同様ですが、東京圏と名古屋圏でも地価の上昇度合いは幾分弱まっています。
昨年の今頃は「潤日(ルンリー)」という言葉が流行り、日本への移住を決断した中国人富裕層(正確には不動産バブルで儲けた中間層)がタワマンの価格を引き上げているという話題で持ちきりでした。しかし、秋には国会答弁を引き金に日中問題が勃発し、中国人投資家による日本買いは事実上ストップしています。アベノミクス下で地価を牽引してきたタワマンの市場は、金利や外国人政策の影響もあってトーンダウンし始めています。
全国の不動産鑑定士へのアンケートでは、現時点ではクマの出没と地価下落との明確な因果関係は確認されておらず、「突発的な事故であり、不動産価格の形成要因とはいえない」とする意見も多くみられます。一方で、盛岡では市街地へのクマ出没により夜間の人出が減少し、店舗やタクシーなどの商況に影響が出ています。また、秋田や長野、群馬などでは、登山・宿泊・別荘といった観光・リゾート需要への悪影響も指摘されています。
今後、市街地への出没や人的被害が増加・常態化すれば、賃貸住宅の成約減少や住宅の買い控え、住民の転出、空き家の増加などにつながる可能性があります。特に、山林に近い郊外住宅地や別荘地、観光地などは影響を受けやすいと考えられます。
現段階ではクマ被害を直接的な地価下落要因とすることは難しいものの、「人流の減少 → 商況悪化・住宅需要の減少 → 不動産価格の下落」という経路を通じて、今後、不動産市場の新たなリスク要因となる可能性があります。
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