事例紹介

M&Aにおける取得原価配分(PPA)に伴う機械・設備の評価

案件概要

クライアント・部門 総合商社
サービスメニュー 機械・設備等の動産評価・調査
業務内容

M&A後の財務報告のためにPPAに伴う価値算定が必要になったとのことで、事業再編の際に連結子会社化した企業が保有する資産の評価をお客さま(バイサイド)よりご依頼いただいた。評価対象は、広大な敷地に荷役設備、各種保管施設、加工場等を擁する操業50年を越える大規模港湾施設である。

評価を行う上で課題となったのは、1,000点を超える機械・設備を有機的一体として機能する集合体ごとに分類することと、継続的な維持・更新により相当長期にわたって使用できる大規模設備の使用価値を把握することであった。

そこで、有機的一体性に基づく分類については施設管理者に対するヒアリングを綿密に実施し、使用価値の考え方については当社における類似の動産評価先例も参考にチーム内での議論を重ねた。結果として、最適な資産分類を行うことができ、全体としても合理的な使用価値を算出できたため、当事者双方にとって納得できる評価を提供することができた。

※ PPA(Purchase Price Allocation)とは、M&Aにおける買収価額を基準日時点における時価を基礎として買収対象企業の資産及び負債に配分する手続き。国際会計基準では以前からIAS第38号「無形資産」により本手続が必要とされてきたが、国際会計基準へのコンバージェンスの一環で、日本でも2010年4月より「企業結合に関する会計基準(日本基準)」に基づき、買収完了後1年以内の処理が求められる。

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担当者後記

本件はPPA処理に基づく評価のため、評価の精度に加え、スピード感が要求されました。複雑に交錯した多数の機械・設備を、セグメント毎に把握したうえで分類・評価することは困難でしたが、提示頂いた資産台帳の整備状態が優れていたことに加え、現地実査において設備管理者の方に詳細にご案内頂けたことや細かな質問にも丁寧にお答えいただけたことで、想定よりスムーズに評価を終えることができました。

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